<2022年3月18日(金) リリース>
2021 Aya Blanc 綾ブラン
(白ワイン/辛口/750ml/アルコール度数10.5%)
シャルドネをベースに、ソーヴィニョンブラン、シャインマスカットを加えて仕込んだ。
原料は全て除梗をおこない、バスケットプレスで圧搾。野生酵母により、低温で約3週間の発酵をおこなった。
発酵終了後、ステンレスタンクでの熟成中に重力による澱引きを2回行い、瓶詰。
外観は澄んだ色調のレモンイエロー。リンゴやナシを連想させる爽やか香りに、ほんのりバニラの香りも追ってくる。柑橘系のキリっとした酸が心地よい。
ラストは、グレープフルーツやレモンピールを思わせる苦味が感じられ、ドライな余韻が長くつづく。
【産地】宮崎県綾町
【ブドウ品種】シャルドネ(92%)、ソーヴィニョンブラン(7%)、シャインマスカット(1%)【保管推奨温度】12℃
【飲み頃温度】10℃~12℃
【生産量】298本
2021 Aya Blanc
2021年は3月中旬に例年通り発芽が始まった。新芽がしっかりと育つ4月下旬まで、サルハムシやコガネムシが、新梢を狙って集まってくる。いつもながら、一匹一匹手で捕獲する作業で大忙しであった。
天候はこれといった異常もなく、5月上旬に開花が始まり、中旬には結果が進んでいく。5月下旬には南九州は梅雨入りするが雨はそれほど多くはなかった。
6月になると、今度はコガネムシがブドウの葉を狙って集まってくる。6月下旬までコガネムシの捕獲に明け暮れる。
7月は、ぶどうの糖度が上がっていくベレーゾンの時期へ入っていく。この時期は、ブドウを狙っていろいろな虫たちが集まってくる。ブドウに卵を産み付け、孵化した幼虫がブドウを食べて成長していくのだ。ここから収穫の直前までは、ひたすら幼虫を見つけては取り除き、ダメージを受けた房を粒単位で一粒一粒、切除していく。
7月中旬に梅雨明けの知らせが入ったが、まだまだ微妙な天気は続いていた。
8月上旬収穫スタート、梅雨明けではあるが雨は降ったり止んだりが続いていた。
晴れ間のタイミングを狙っては少しずつ収穫を始めるが、まとまった晴れ間が続かず、ブドウにカビ病が目立ち始める。
本格的に収穫が始まる中旬でもなお、降り続く猛烈な雨のため、最善の収穫のタイミングがなかなか見つけられず非常に悩ましい月であった。
収穫直前に長雨が続いたことで、ブドウは例年の半分ほどしか収穫できず大変厳しい結果となった。醸造においては、例年の倍以上の時間を掛けて厳しい選果をおこない、健全なブドウのみを使用。
厳しい状況の中でも素晴らしいワインに仕上げることができた。2021年は、今後も続くであろう、予測できない気象の中でのブドウ栽培に大きな課題を残すシーズンであったが、この最悪の状況の中での気付きも多く、ワイナリーとして成長できた年であった。
今後も皆さんに喜んでいただけるワインができるよう、日々ワイン造りに励みたいと思っている。