あやてらす
AYA TERRACE
2023
個性豊かな施設利用者の皆さんは、日頃から畑作業や野菜の出荷作業などに取り組まれています。
01
わーくすぽっとAyaとは
就労継続支援B型事業所として、契約農園からの農作業の受託を主な仕事としています。さらに、施設利用者の皆さんの仕事の場として、耕作放棄された日向夏畑を買い取り、日向夏の無農薬栽培に取り組んでいました。
「わーくすぽっとAya」代表の松竹氏(写真右)と、収穫前の日向夏の樹の前にて。菜の花が咲き乱れる4月に収穫をしました。
02
仲間たちとのご縁で
新たな出会い
ある日仲間たちと飲んでいた時、「ミカンでワイン造れるの?」「綾町の日向夏で作れるなら作って欲しい!」との要望があり、その数日後には「わーくすぽっとAya」さんとのご縁をいただきました。
コロナ渦で福祉イベントの中止が相次ぎ、行き場を失っていた彼らの日向夏を全量買い取り、2022年春に「あやてらす」を初めて仕込みました。
03
高齢化/後継者不足など、課題は山積み
2年目となる2023年は、地元産の柑橘を安定した価格で、まとまった量を買い取ることで、農家さんが安心して栽培を続けられるシステム作りを意識しました。
この活動をきっかけに、地域の農家さんの課題解決につながると考えています。
「わーくすぽっとAya」が農薬を使用せずに栽培する日向夏は、やや小ぶりですが、その分香り高く、酸味と甘味のバランスが良好。
04
半量はワイナリーにて仕込み
新たな試みとして、日向夏の半量をワイナリーで仕込みました。土ホコリを落とすために丁寧に洗い、包丁で半分に切り、種を取り、実をくりぬき、、、その数、なんと約8千個!
約1週間後にバスケットプレスで搾汁を行いました。
日向夏を切って、くりぬいての人海戦術の2日間でした
05
残りの半量は試験場にて搾汁
残りの半量は、今年も宮崎県食品開発センターにて果汁を搾る工程をサポートして頂きました。
搾汁した果汁をワイナリーへ持ち帰り、ステンレスタンクで発酵管理を行いました。
柑橘用の搾汁機を使用しましたが、機械とはいえ日向夏を1個ずつ手で投入していきます
06
手探りの中での2年目
ワイナリーで仕込んだものと、試験場で果汁を搾汁したものと2種類をブレンドして、6月初旬に瓶詰。
発酵が終わる直前に瓶詰をしたことで、野生酵母が造り出した泡(炭酸ガス)が溶け込み、シュワシュワとしたスパークリングワインを仕込むことができました。
酸化防止剤(亜硫酸塩)不使用。無濾過のため、瓶の底には酵母や日向夏由来の成分が沈殿していますが、抜栓後の泡により均一に混ざります。
吹きこぼれ防止のため【抜栓前に混ぜないでください】
瓶詰め時の色はオリが舞い、日向夏らしい色味になりました。
07
日向夏と文旦のヒミツの関係
日向夏は、他の花粉でなければ受粉ができない「自家不和合性」という性質を持っています。
そのため「わーくすぽっとAya」さんの日向夏畑には、文旦の樹も一緒に植えられています。
2年目の取り組みとして、彼らの文旦も一緒に仕込むこととしました。少量の文旦をブレンドしたことで、日向夏のフレッシュな風味とともに、文旦のまろやかな酸味が加わりました。